只今ご紹介をいただきました米国国務省日本語研修所所長のマーハーでございます。 ご来場の皆様、本日のアメリカポピュラー音楽 伝来フェスティバルで ケネディ駐日米国大使、 そしてアメリカ政府 を代表してご挨拶させて いただくことを、誠に光栄に存じます。

 私にとって、今夜鑑賞させていただく音楽は子供の頃から親しんだ懐かしいものです。アメリカ南部のジョージア州で育ちましたので、バンジョーやフィドルの音、ブルーグラスやカントリーの歌をよく聞きました。今でも、その音楽を耳にする度に、心の中に温かい気持ちが湧き上がります。

 しかし、私にとってそんなに親しみのある音は、1854年の日本人の耳に、どのように聞こえたか、想像に難くありません。
きっと「変な音楽だなあ!」と思ったことでしょう。

 一方のアメリカ人も、江戸時代の日本の音楽を聴いて、風変わりな音だと思ったに違いありません。その160年後の今日は、変化は信じられないくらい深いです。このすぐ後、アメリカにルーツを持つ音楽の名手である日本人奏者がこの舞台に上ります。

 そして、レベルは全然違いますが、この横浜市にあるインターナショナル・スクールでは、アメリカを含めて、世界中の国々からの生徒たちが日本の琴を熱心に練習しています。

このように音楽の交流は双方向に続いています。

 今夜のコンサートを楽しみながら、私達は、この160年に渡って日本とアメリカが結んできた友好の絆を思って、誇りを感じることができると思います。

この素晴らしいアメリカポピュラー音楽伝来フェスティバルを主催してくださる国際音楽文化地域交流協会をはじめ、後援、協賛、協力してくださる皆様へ、心から感謝を申し上げます。

簡単ではございますが,これで私の挨拶のことばとさせていただきます。 ありがとうございました。